高齢者は糖尿病をはじめ、さまざまな合併症を持っていることが多い
がんの場合は、がん細胞の取り残しがないように、若い人と同じようにリンパ節や臓器を広範囲に切除すると、高齢の患者は合併症が出ることがある。
そこで医師には微妙な判断が求められる。
「体力的に耐えられると思えば、八〇代でも、六〇代と同じ手術をするし、逆に七〇代でもしない場合がある。メスを入れたときの皮膚の感触や、臓器を見れば経験的に分かります」
(福永医師)
執刀医はもちろん、手術を受ける病院選びも重要だ。
高齢者は糖尿病をはじめ、さまざまな合併症を持っていることが多い。
近年では、がんの手術をした後に心臓の手術をする高齢者も少なくないそうだ。
そうした人は、複数の診療科が連携して治療にあたれる総合力のある病院を選ぶべきだろう。